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凍土の力学的性質

写真は一軸圧縮強度試験供試体(上:砂凍土 下:粘土凍土)

凍土と未凍土の構成要素を単純に比較してみると、未凍土中の間隙水の一部が、
凍土では氷に変化しているだけです。
ところが凍土の強度は未凍土のそれより著しく増加し、耐力壁としての役割を十分果たすものになります。

凍土の強度は、以下に示す因子によって
影響を受けます。

凍土の内因的にもっている因子:
 土の粒度分布、比表面積
 土粒子配列または構造、
 乾燥密度、含水比、不凍水含水比
 含有塩分濃度

外的条件によって変化する因子:
 凍土温度、変形速度(ひずみ速度)

凍土の一軸圧縮強度特性

凍土の一軸圧縮強度と温度の関係・含有塩分濃度の関係を上の図に示します。
一軸圧縮強度は温度の低下に伴って増加する傾向が見られ、
一般に温度θとの間の式  で表され、
砂凍土の場合a=8.53、b=37.29、n=0.5、粘土凍土の場合a=7.0、b=5.30、n=0.87となります。
一軸圧縮強度は、含有する塩分濃度の増加に伴って低下します。特に砂凍土の場合、
わずかな塩分濃度で急激に低下することがわかります。

関連文献

凍土の曲げ強度特性

粘土凍土の三等分点載荷で行った曲げ試験における比例限界荷重PP・最大荷重Pmaxと
温度の関係を上の図に示します。
比例限界荷重および最大荷重は‐20℃付近までは温度低下にほぼ比例して増加するが、
これより低温域では増加は緩やかになることがわかります。

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その他の曲げ強度特性

供試体内に温度分布を持たせた凍土梁の曲げ試験

左上図に示しますように、内部に温度分布を持たせた凍土梁と温度が均一な凍土梁の曲げ試験を行いました。
右上図に、砂凍土における供試体内平均温度と比例限界荷重PP・最大荷重Pmaxの関係を示します。
平均温度で整理すると、温度分布を持たせた梁と温度が均一な梁の間に
大きな差異は見られないことがわかります。

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